日本の病院で使う中国語通訳の基本表現

日本生活・通訳2026年7月8日

MEDICAL INTERPRETING / JAPAN LIFE

日本の病院で使う中国語通訳の基本表現

病院での通訳は、難しい医学用語をたくさん覚えることよりも、受付、症状確認、検査説明、会計までの流れを落ち着いてつなぐことが大切です。最初に押さえたい表現を、場面ごとに整理します。

病院通訳のためにノートへ中国語表現を整理している様子
医療通訳では、正確さだけでなく、患者さんが次に何をすればよいか分かる言い方が必要です。
1

受付

保険証、問診票、予約時間を確認する。

2

症状

いつから、どこが、どのように痛いかを分けて聞く。

3

説明

検査、薬、次回予約を短く正確に伝える。

日本で暮らす中国語話者にとって、病院は言葉の不安が出やすい場所です。普段の会話ができても、痛みの程度、薬の飲み方、検査前の注意などは聞き返しにくいことがあります。

通訳する側も、専門用語を完璧に訳そうとして止まってしまうより、医師や看護師の説明を短く区切り、患者さんの理解を確認しながら進めるほうが実務では役に立ちます。

目次
  1. 受付で最初に使う中国語表現
  2. 症状を確認するときの聞き方
  3. 検査や処置を説明するときの注意
  4. 薬と会計で間違えやすい表現
  5. 病院通訳で大切にしたい姿勢

受付で最初に使う中国語表現

病院に着いて最初に必要なのは、身分確認と手続きの流れです。受付では長い説明を一度に訳すより、「まず何を出すか」「次にどこで待つか」をはっきり伝えると安心につながります。

日本語 中国語 使う場面
保険証をお持ちですか。 您带保险证了吗? 受付での確認
こちらの問診票に記入してください。 请填写这张问诊表。 初診、再診前
名前が呼ばれるまでお待ちください。 请等到叫您的名字。 待合室での案内
今日は予約されていますか。 您今天有预约吗? 予約確認

症状を確認するときの聞き方

症状確認では、患者さんの言葉を勝手に医学用語へ変えすぎないことが大切です。「痛い」「重い」「しびれる」「気持ち悪い」など、本人の表現をできるだけ残しながら、医師が判断しやすい情報に整理します。

  • いつから:从什么时候开始的?
  • どこが:哪里不舒服?
  • どのくらい:疼痛程度大概是几分?
  • 変化:症状有没有变严重?

日本語の「違和感」「だるさ」「張る感じ」は、中国語に直訳しにくいことがあります。その場合は一語で決めず、「痛みではないが不舒服」「体が重い感じ」など、補足して伝えると誤解が少なくなります。

医療通訳の流れをノートに整理している机
受付から会計までの流れを先に把握しておくと、現場で慌てにくくなります。

検査や処置を説明するときの注意

検査説明では、検査名だけでなく「何のために行うか」「痛みがあるか」「どれくらい時間がかかるか」を伝えます。患者さんが不安を感じやすいのは、名前を知らない検査そのものより、次に何が起きるか分からない時間です。

たとえば「採血します」は 需要抽血 と訳せますが、必要に応じて「结果出来以后医生会再说明」と一言添えると、流れが見えやすくなります。

日本語 中国語 補足
血液検査をします。 需要做血液检查。 採血がある場合は別途説明する
レントゲンを撮ります。 需要拍X光片。 部位を合わせて伝える
少し痛みを感じるかもしれません。 可能会有一点疼。 不安を強めない言い方にする
結果が出たら、医師から説明があります。 结果出来后,医生会为您说明。 待ち時間の理由を伝える
通訳メモ:
医師の説明が長いときは、「一度区切っていただけますか」とお願いしても失礼ではありません。正確に伝えるための確認は、通訳の大事な仕事です。

薬と会計で間違えやすい表現

診察の最後は、薬の飲み方、会計、次回予約です。ここで間違えると、帰宅後に困ることがあります。特に「食前」「食後」「頓服」「一日何回」は、必ず数字とタイミングを確認します。

日本語 中国語 確認したい点
1日3回、食後に飲んでください。 请一天三次,饭后服用。 朝昼晩かどうか
痛いときだけ飲んでください。 只有疼的时候服用。 頓服であること
次回の予約を取ります。 需要预约下次复诊。 日付と時間
会計でお待ちください。 请在会计处等候。 薬局が院内か院外か

病院通訳で大切にしたい姿勢

病院通訳では、患者さんに代わって判断しないことが大切です。分からない部分を勝手に補わず、必要なら「確認します」と言って医療者に聞き返します。親切のつもりで説明を足しすぎると、医師の意図とずれることがあります。

聞く

医療者と患者さんの話を最後まで聞き、途中で結論を決めない。

区切る

長い説明は短く分け、数字、時間、部位を落とさない。

確認する

聞き取れない表現やあいまいな指示は、その場で確認する。

残す

薬、予約、注意事項は、できれば紙やスマートフォンで見返せる形にする。

医療の場では、流ちょうさよりも、落ち着いて正確に確認する力が信頼につながります。基本表現を場面ごとに覚えておくと、病院での不安を少し減らし、必要な説明をきちんと届けやすくなります。

よくある質問

Q. 医学用語を全部覚えないと通訳できませんか?

A. 全部を暗記する必要はありません。まずは受付、症状、検査、薬、会計の基本表現を押さえ、分からない言葉はその場で確認する習慣を持つほうが実務的です。

Q. 患者さんが長く話す場合はどうすればいいですか?

A. 途中で内容を整理し、「いつから」「どこが」「どの程度」を確認しながら医師へ伝えます。本人の表現を消さないことも大切です。

Q. 家族として付き添う場合も同じですか?

A. 基本は同じですが、家族の意見と患者本人の言葉を混ぜないように注意します。判断が必要な場面では、医療者に確認してもらうのが安全です。